渡辺浩二設計室 のブログ

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昨年秋より計画を進めていた、 「川沿いの白い家」 (米子市、2006年竣工)  (Click!)  の外構 (スクリーン) リニューアル工事が先日終わりました。


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スクリーンは、これまでの木製土台、柱、控え柱 (頬杖) に横格子を組んだものをいったん撤去し、あらたに鉄骨柱とアルミ製品の板材を組み合わせたものに作り直しました。 作り直しにあたって、今回は板材に幅広のものを用い、 「目透かし幅」 はこれまでよりも狭くして、区切った内部が通りから見えにくい、独立性を高める意匠・機能としています。


玄関先まで自動車で横付けできるよう、建物側3メートル分の既存基礎は解体撤去してスクリーンは設けず、専用通路としています。


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先月初めのブログ  (Click!)  でもご紹介したように、鉄骨柱は既存基礎をコア抜きしたうえで、アンカー打ち、溶接、モルタル充填して固定しています。控え柱 (頬杖) もこれまでの基礎を利用して、 「鉄骨製」 で設えなおしました。

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木製に比べて、間違いなくメンテナンス性には優れるものの、果たしてアルミ製の板材が外観上 「浮いて」 しまわないか、正直なところやや心配であったのですが、結果的には上の写真のように、門扉上部の屋根組み (杉無垢材にオイルステインを塗ったもの) と比較しても違和感なく納まり、ホッとするのと同時に、材料の進化とはまさに日進月歩なのだなあと、感心しています。


そして、加えてこの結果は、アルミ製で行こうと背中を押してくださったクライアント様と、製品選定の際、できるだけ木製無垢材の質感に近い、細かい凹凸を持つ製品を提案してくださった建材商社さんに依るところが非常に大きかったことを、本文の最後に申し添えておきます (ありがとうございました) 。

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先日、店内入口のラック (棚) に置かせてもらっている弊社パンフレットの補充に、今井書店さんへお邪魔した際に偶然平積みと 「目が合って」 しまいました(^^; で、その後、帯の 「 『ブラタモリ』 が好きなら絶対に楽しめる!!」 とのお誘いに誘われるがままに手に取ってレジに向かい、その日の晩から読み進めて昨晩読み終えました。 


(相当に) ざっくり言えば、 「江戸時代」 が出来上がってゆく過程を、社会インフラに焦点を当てて描かれた小説で、具体的には、第1話から第5話までの5つのエピソードに、江戸の、


治水
貨幣統一
上水道整備
城郭整備
天守閣建築


それぞれの事業がどのようにおこなわれ、完成していったのか、その試行錯誤と創意工夫と智謀知略が記されているのですが、日本史に明るくなく、東京への土地勘をほぼ持たない私でさえ、読み始めてすぐに本の中に引き込まれた理由は、登場人物がすべて実在の人々であり、それぞれのエピソードの舞台が、


利根川
日銀本店  
神田上水
皇居 


として現存しているという、いわばノンフィクション効果というか説得力、にもあるのでしょうが、そのほか、ついうっかりすると 「ずっと昔からあって、未来永劫その存在を疑わなくともよい」 と、捉えがちにもなる首都東京も実は 「何もない寒村」 からひとつずつ積み上げていった結果、であることの途方もなさ、と、その途方も無さの裏側でしか確かめることのできない、人の意思や良識や工夫や知恵の力を肯定できる手応えへの喜び、あるいは第2話で、のちに慶長小判を造る事となる橋本庄三郎が言った 「この世の誰もがまだ見ぬ風景、それを見たい」 と思い願うこころへの淡い共感など、いろいろとあるようです。


ブラタモリの他、 「プロジェクトX」 が好きだった方にもおススメで、第155回直木賞受賞作です。



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これでもかと降って積もった雪もようやく姿を消したなあと、ホッとしたところで今度は台風並みの強風が吹いた境港でしたが、見上げると空の色は、春のそれに日毎に近づいているようです。報道によると、来年度の予算も衆議院を通ってまもなく可決となるとのことで、いろいろと言われている住宅政策 (ZEHが環境・経産・国交省の、三省連携による事業になる、とか) についても、予算を得て 「お墨付き」 となった全体像が、まもなくあきらかになるでしょう。


といった感じの、春近しの今日この頃ですが、上の写真は米子市内のフェンス改修工事の様子です。年明け早々に既存部の解体を済ませた後、雪解けを待ってから再開した鉄骨工事はまもなく完了、この後に塗装とスクリーン材割り付けの現場立会が控えます。


現場では、外にいるのが気持ちよくなる気候のなかで、作業を続けてもらっています。




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上のスポンジ製ローラーの写真を見て、おおと身を乗り出し、思わずブログタイトルのような名前を付けたくなったそこのアナタ、これ、雨降り翌日の土台敷きの前や上棟の次の日にあったら便利そう、ですよね?

このローラー、先日伺ったNEXTSTAGEさんの第三者監査の際に、現場で見つけて写真を撮らせてもらったものなのですが、現場監督のYさん曰く、便利だよお、とのことでした。先程調べたら正式名称は、「らくらく吸水ローラー」  (Click!)  という名前で、リンク先のAmazonの紹介によると、グラウンドなどの水はけにも用いるようです。


2000年におこなわれた建築基準法改正や住宅保証機構、かし保険の整備などから数えてまもなく20年になりますが、このあいだに一般的な木造住宅の構造は、 「一定レベル」 の仕様が業界内の標準 (もちろん例外、足りないもの、やり過ぎのものはありますが) となり、基礎構造においては鉄筋コンクリート総土間の、いわゆる 「ベタ基礎」 が標準となっています。


このベタ基礎、地盤面に接する面積が増える分、単位面積当たりの必要地耐力は少なくて済み、また、鉄筋コンクリートの一体構造となるために構造体の強度が高くなるため、 (地耐力調査で) 比較的柔らかいと判定された地盤でも、くい打ちなどの地盤改良工事が不要であったり、一体構造であることを活かして、床下空間を 「室内の空気層エリア」 となるように断熱し、この空間をエアコンなどで暖めることで、空気を熱源 (冷媒) とする床暖房 (いわゆる 「床下エアコン」  (Click!) ) をおこなうことも可能です。


と、上に書いたようないいことづくめのベタ基礎ですが、工事期間中、屋根が架かる前に雨に降られると、基礎内に雨水が溜まってさながらプールのような状態になり、湿度が大敵である木構造では、この雨水をいかに効率よく早期に排水するか、その都度頭を悩まされます。


これまで排水方法には、例えば基礎立ち上がり側面に仮設の水抜き穴を設けたり、排水用ピットを設けてポンプで排水するなど、いろいろと対策は考えられ実践されているものの、私の知る限りでは、土間表面に残るわずかな水分は、タオルやスポンジなどを被せてバケツに絞って、を繰り返す 「人海戦術の家内制手工業」  (Click!)   でしか取り除く方法がありませんでした。


といったところで発見した土台敷きその前に、ではなくて、らくらく吸水ローラーだったものですから、現場で見つけて、おおと身を乗り出してしまいました (^^;

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吸い取った水分は、上の写真のように、専用の金物に本体をひっかけ、上から押さえると、スポンジが軸方向に (この発想がスゴい!bravo!) 縮んで水分が絞りだされて・・・

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バケツ内に溜まります。


少し前のブログでご紹介した 「左利き用スケール  (Click!)  」 もそうですが、必要に迫られての道具類の進化というのは、まさに日進月歩なのですねえ・・・

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昨年秋にスタートした本計画は、年明けに基本設計がまとまり、現在実施設計中です。


私は、実施設計は、断面の検討からはじめることが多いのですが、既存改修と増築とを組み合わせている本計画でも、既存部分 (上の写真の赤いほう) の高さ方向の情報を抑えながら、増築部分の床レベル、桁高、小屋組などを選択・決定したのち、平面詳細の検討に入っています。