渡辺浩二設計室 のブログ

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前回の続きです。分離発注方式が一般的な請負工事とは異なるふたつ、直接の支払いと終始一貫としたサポート体制がどのような特徴を生むのか?計画のスタートから完成までを家づくりの4人の登場人物である、

①建築主
②設計者
③工事管理者
④施工者

それぞれの視点からどう映るのか以下、書き出します。
(①④はこれまでのヒアリングが基です)



①建築主(クライアントさん)

・分離して発注したぶん、工事費の支払い回数が増えて面倒だ。
・常に窓口として対応してくれるのが建築の実務者で安心感がある。
・申請や設計施工 全般に関わってくれるので質問に対するレスポンスが早く適確だった。
・打ち合わせをかなり密におこなったが、最低限あのくらいは必要だったとも思う。
・実際の施工者に直接支払うので、支払っている実感が強い。
・トータルの建築コストは、結局安くついた。



②設計監理者( 渡辺 )

・契約で設計監理業務の費用が定められているので、落ち着いて業務にあたれる。
・十分な打ち合わせをおこない設計・仕様決定しないと積算と見積ができないが、決定
 した時点の精度が高いぶん後工程はスムーズで、結果的には最短ルートであった。
・現場管理者を兼ねるので、情報伝達など業務の効率と精度がきわめて高い。



③現場管理者( 渡辺 )

・契約で現場管理(マネジメント)業務の費用が定められているので、専門工事業者からの
 見積が そのまま工事原価になる(見積に経費を上乗せする必要がない)。
・実施設計図書と分割請負契約により、工事仕様と金額が事前に決まっている。
・設計監理者を兼ねるので、情報伝達など業務の効率と精度がきわめて高い。
・これらにより、現場のマネジメントに集中できる



④施工者(各専門工事業者)

・建築主からの直接現金払いなので、手形不渡りの心配がない。
・建築主との直接契約時には、工事の仕様と金額が事前に決まっている
・設計者と現場管理者が共通なので、質疑応答のレスポンスが速く「手待ち・やり直し」が
 きわめて発生しにくい(設計者の質により結果に差が出る、とも言えますが・・・)
・これらにより、施工そのものに集中できる


書き出してみると、けっこういろいろありますね。特徴ってなんでしょう?

何度も読み返してみたのですが、これまでにいろいろな建築業務に関わらせていただいた事柄をおもいだしながら考えてみると、ある特徴が浮かび上がってきました。
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それは、ひと言でいうと、「前工程の精度が高い」こと。
言いかたをを変えれば「後工程への先送り、しわ寄せが許されない」ことです。
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これは、

ひとつは設計の費用、現場管理の費用、施工の費用が明確に分けられ(分離して発注され)ているので、それぞれの責任の所在が明確であり、あわせて個々の仕様が決まらないと請負契約(着工)できない仕組みと、

もうひとつは建物の意匠、仕様・数量にもっとも詳しいけれど施工にはかかわらない設計者と、現場で不明な点はそのつど設計者に質疑をあげなければ前へ進めない現場管理者が同一人物であるので、クライアントさんと職人さんたちに対しての情報伝達のロス・ミスが少なくレスポンスも早いこと、

このふたつによる産物です。そして察しの通り、このことは品質とコストにおおきな影響を与えます。

誤解のないように申し添えますが、これらはまちがいなく特徴ですが分離発注でなければ成し得ないもの、分離発注が「絶対条件」ではありません。表層以外をレディメイドで統一するハウスメーカーさんや原価公開の工務店さんなど、それぞれが得意分野でいろいろな方向性を探っている、というのが現状です。
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あらためて書き出したものをながめると分離発注、余計なものを削ぎ落としたシンプルな仕組みだなあと思いました。なんだかいいことだらけのようにもみえます。

けれどよく言われますよね、上手い話には裏があると。

分離発注にはデメリットはないのでしょうか?

次回、分離発注に潜在する(かもしれない)デメリットについて検証します。