渡辺浩二設計室 のブログ

〒684-0033 鳥取県境港市上道町3256上道ビル6号 TEL/FAX : 0859-42-5357
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ホームページ内の 「家づくりの流れ」   (Click!)   でも触れていますが、弊社は原則、基本設計がまとまった段階で、計画案の模型を作り、クライアント様にご覧いただいています。


模型 (50分の1) をご覧いただきながら、


・室内と外観のボリュームや質感
・室内への自然光の入る様子
・外部からの建物の見えかた


などについて、ご確認、ご検討の打ち合わせをおこなうのですが、今回は、先日お渡しした模型をご紹介します。

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広大で自然に満ちた (もっと言えば、野趣溢れる^^;) 敷地に対して、建物をどのように調和させ、馴染ませてゆくのか、この課題に対して、


・深い軒と、
・軒と同じ深さの土間とを組み合わせ、
・その組み合わせを建物外周全てにぐるりと配して、


屋根付きの廻り土間とし、ウチとソトとを繋ぐ緩衝地帯として、敷地と建物の 「仲を取り持って」 もらうように計画しました。

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廻り土間では、たとえば七輪で椎茸やサンマを焼いたり、干し柿を吊るしたり簾を架けたり、あるいは、デッキチェアを置いて身体を預けながら、側を流れる川のせせらぎに、耳を傾けてもらうこともできそうです。


軒下空間の高さと幅 (深さ) は、建物の東西南北、四周全てで同じ寸法となるよう、屋根形状は寄棟 (よせむね)  (Click!)   とし、土間は、室内床高との段差をできるだけ小さくしながら、同時に、湿気に対する土台木材の保護を両立できるように、ひと工夫を凝らしています。

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鳥取県西伯郡の計画です。
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以前のブログでご紹介した 「上細見の茶室」  (Click!)  は昨年末、腰張りと畳の敷き込みをおこないました。


茶室の腰張り (腰壁部分に貼る和紙) の施工に立ち会うのは、実は私は今回が初めての経験だったのですが、偶然にも工事を依頼した内装業者の担当者さんも、今回が 「はじめてのこしばり」 だったそうで、作業のあいだ、ふたりしてデジタルカメラを構え、職人さんの仕事ぶりをしげしげと眺めていたのですが表具師さん、ちょっとやりにくかったかなあと今になって反省しています(^^;


腰張りは、元々は茶室土壁の保護からはじまったようで、調べてみると国宝の如庵には、古い暦などを貼った 「反故張りの席」 と呼ばれるものもあるようです。上の写真は客 (ゲスト) 側の貼りはじめの様子で、紺色の湊紙 (高さ1尺8寸) を水準器のレーザー光に合わせ、慎重な位置決めの後に貼り作業がはじまりました。

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こちらは亭主 (ホスト) 側です。和紙は白色の西の内紙で、高さは1尺です。


「総長さ4m弱の和紙貼りだから、それほど時間はかからないだろう」 と当初、気軽に構えていたのですが、朝9時から始まった作業は、上の写真を撮影したのが12時過ぎで、掲載できる写真枚数の都合で割愛していますが、和糊の調合からはじまり、採寸、割り付け、和紙への加水と糊付けを経てからの貼り作業で、客側を貼り終えたら今度は亭主側の糊の調合からと、かなり根気のいる工程の連続でした。とはいえ、はじめて見る腰張りはそのあいだ、じっと見ていても全く飽きることがなかったのですが、作業終了の13時前には、さすがに首と肩がばきばきに凝り固まっていました (どうやらとなりの 「相方」 、内装業者担当者氏の首と肩も同様に・・・) 。


余談ですが、腰張り作業をされた表具師さん、今回の現場の前は、現在改修工事中の広島平和記念資料館本館で、展示用の写真をパネルに貼る仕事をされていたそうです。専門工事業者さんの仕事には本当に幅広いものがあって、おそらく、ふとした時になにげなく見やるある箇所も、名の知らぬ誰かのスキルに支えられているのでしょうね。

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そして作業終了のころ、ほぼ入れ替わりに畳が搬入され、

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敷き込み、最終確認に畳の目数を再チェックされて、

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無事、茶室部分の完成と相成りました。


施主様、棟梁をはじめとする関係者の皆様、お疲れ様でした。
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あたらしい一年がはじまりました。


本年も、地に足のついた住まいづくりを、クライアント様、職方のみなさんと一緒に、コツコツ積み重ねてゆきます。 「安心して住み続けることのできる家づくり」 を念頭に、引き続き精進を重ねて参ります。


皆様には変わらぬご愛顧のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。


渡辺浩二
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以前のブログ  (Click!)  で模型をご紹介した 「柳瀬 (やなぜ) の海の家」 は、今週から既存建物の解体工事が始まっています。柱、梁を可能な限り新築部分に転用する本計画は、解体工事の工程が、


1:まず、床や外壁、屋根などの仕上・下地材を撤去して、 「構造体だけ」 の状態にする
2:露出された構造体を、樹種、断面、劣化などの状態をみながら選定し、解体する
3:最後に、残った基礎と外構を撤去し、整地をおこなう


の、3段階に分かれていて、現在は1工程目の、室内の仕上・下地材の撤去をおこなっています。


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座敷の天井が剥がされ、小屋組みが現れました。およそ80年ぶりに人目に触れることとなった構造材は、現在の標準より 「ひとまわり半」 ほど大きな断面で、写真右側下部に写っている、縁側屋根を支える円柱状の大断面梁、いわゆる円桁 (えんげた) もそうなのですが、みるからに豪快な印象です。


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ピンボケで申し訳ありません。製材された梁には、上の写真のように長さや樹種、等級などが書き込まれていて、さらに目を凝らすと、製材所の屋号も記されていました。


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クライアント様から伺った話では、構造材などの一式は、敷地北側に開ける日本海から、船によって運ばれてきたのだそうです。先程の小屋梁もおそらく、港で人の手によって陸揚げされた後に、これまた人力によって積み上げ、組み立てられたのでしょう。


およそ1世紀前、先人の知恵と工夫によって棟上げされた木材たちに、あらたな役割を担ってもらえるよう、これからクライアント様、棟梁、設計者が知恵を絞ります。 「さあ、君たちに何ができるのかな?」 と、露わになった、古の材たちからの問いを感じながら、引き続き工事の進捗を見守ってゆきます。


年内のブログ更新はこれで終了します。本年もたいへんお世話になりました。皆様どうぞよいお年をお迎えください。



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夏におこなった前回の更新から、気がつけばもう年末となってしまいました (長い間失礼しました) 。 暦をみると今日は大雪、ほんとうに時間の経つのが速いです。


上の写真は、夏前頃から設計をすすめていた茶室の改装計画で、写真中央右手、床面近くの位置に軸材で囲まれている2尺※四方は、茶室来客用の出入り口である、躙り口 (にじりぐち) です。 露地や待合などは年をまたぎそうですが、茶室は年内の完成となりそうで、現在、棟梁が腕に撚りをかけながら 「フル稼働」 (^^) されています。

※約70センチ弱

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米子市の南、西伯郡伯耆町での計画です。