渡辺浩二設計室 のブログ

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「風を受ける面に直交する壁」って、いったいどういう壁なんだと、前回のブログ (Click!) 
を読んでくださった方から質問をいただきました。

「それはですね、建物を上から見たイメージで、X方向に対してのY方向の壁が・・・」
と、あらためての説明を考えてみたものの、これじゃあますますわかりにくい。うーん。

ならばと、模型にしてみました。

こんなかんじです。
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ウッドデッキのサンプル(手前がクマル、奥がセランガンバツ)が、A4のクリアファイルをちょうど袖壁のように支えています。A4ファイルの(写真から見て)裏側を受風面とすると、デッキサンプルがその風圧力を受け止める 「直交する壁」にあたります。


たしか足立美術館(安来市)の庭園を眺める大開口のガラスも、同じようにガラスの袖壁で補強されていたはず。構造計画というと何やら難しくて複雑そうなことをやっている印象ですが、大元をたどると単純明快で、あとは数値化されたそれぞれの要素を拾い出しての足したり掛けたり(引いたり割ったり)しての検証というのが、構造計算の正味です。


といったところで前回の補足説明となればよいのですが・・・
ともかく、言葉足らずで失礼しました。

Kさん、質問どうもありがとうです。



11月にはいって、境港は朝晩が寒いです。

そろそろ山も赤や黄色に色付いているだろうと、外出の脚を大山まで伸ばしました。

大山道路を登って大山寺を抜けて、枡水から鍵掛(かぎかけ)峠を越え奥大山で折り返す道中の
ところどころで車を停めると、木々も地面も秋の色です。

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電線や電柱、外灯のない白樺のトンネルを歩いていると、すーっと心が洗われるような清々しさで、どうすればこんなふうにここちよい場所ができるのだろうとも考えたのですが、いまここでその考えは不粋だよなあと思わせるほどに、その空気は引き締まって澄んでいます。


午後も遅めに思いついて、平日だし、さすがにこれからならば人出も少ないだろうとタカを括って出発したのですが、当初の目的地だった鍵掛峠の駐車場は、到着はもう夕方だったにもかかわらず自家用車でいっぱいでした。急遽奥大山まで脚を延ばしてからの復路、運よく入違いで空いた一台分に滑り込み周囲を覗うと、どうやらこの時間帯は笛吹山に夕日が映えるシャッターチャンスのようで、私たちを除く大多数の方が三脚などの機材を備え、夕日を遮る雲が去るのを待ち構えておられました。

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閉店時間が迫るソフトクリームの誘惑に負け、残念ながら夕映えの前にその場を後にしたのですが、途中、すこし下った一の沢から見上げた山の斜面がとてもきれいでした。
11月も中旬を迎えて、境港でも朝夕は特に冷えてきました。

事務所の窓はすべて北向きなので日差しが入らず、晴れの日でもけっこう寒いです。
今週から石油ファンヒーターを出しましたが灯油、年々値上がりしていますよね・・・

先日テレビをみていると、米国のシェールガス採掘のプラントが生産を本格化して、
このぶんならば今後数百年分の全世界へのエネルギー供給の源になるだろうとのことでした。

そこにあるのはわかっていたものの、技術面・コスト面で難しかった、地中深くの岩盤(シェール)に染込んでいる石油と天然ガスの採掘を約10年かけて実用化したとのことで、エネルギー供給の常識を根底から覆す意味で、この技術革新を「シェール革命」と呼ぶのだそうです。

これまでなんとなく耳にはしていたものの、そこまで進んでいたとは露知らずで、
びっくりしてから己の勉強不足にがっくりしました。ともかく朗報にちがいありません。

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世界のエネルギー供給、そして弊社の光熱費問題について明るい見通しをたててくれた採掘技術の進歩ですが、そうした進歩を背景にした、これからめざすべき更にエネルギー効率のよい建物とは、今後どのようなものになるのでしょうか?


まずは「今」求められていることがらを整理すると、いずれも基本的なことがらですが、

一定水準への仕様と工法は既に確立されている住宅の省エネ性能、維持管理性能について、
リフォームを含めてその状況に合わせた適切な仕様選定と施工時の管理を徹底すること、

施工性と完成後の使い勝手までをよくよく検討したうえで仕様のグレードを部分ごとに使い分けて、健全なコストダウンを生み出すこと、

そして、長いあいだ暮らしてもらえる快適な空間構成とデザインを提案し実現することで、建物の建て替えによる環境負荷を減らすこと、

の3つにまとめることができそうです。


これらの延長線上にみえるこれからの住宅とは、こうした基本的なことがらのひとつひとつに丁寧に取り組んで精度を高めてゆくなかで見えてくるものでしょう。具体的には現在の仕様を前提条件にして、エネルギーを消費はするけれど、浪費はしないための仕様づくりがより充実してゆくのではないかと予想しています。

引き続き、いっそう精進します。

東京三田コートドールのオーナーシェフ、斉須政雄さんのお話をまとめた文庫本です。
しばらくぶりに読み返しています。

その言葉に突き動かされた経験をしたはじめての本で、やっぱり今回も
熱くて厳しくて優しい言葉がフィジカルに伝わってきます。

大仰な言い方しかできないのが悔しいのですが、活字に目を通すだけで血が沸き立つようです。
チャックベリーのような、ユンケルみたいな本です。

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この本を聞き手としてまとめられた木村俊介さんが明日、米子市内(今井書店さん)での
トークライブにお越しになるとのことで、脚を運ぶ予定にしています。

あの言葉を引き出された方のお話を生で伺えるのが、いまからとてもたのしみです。
今井書店さん、どうもありがとうございます。
今井書店さん(本の学校)店舗リニューアル1周年記念のトークイベントを拝聴してきました。

「調理場という戦場」(斉須政雄さん/幻冬舎文庫)のインタビュアー、木村俊介さんとミシマ社代表の三島邦弘さんとの対談で、さきごろ出た木村さんの著書「善き書店員」(ミシマ社)をメインに一時間半、いろいろなお話を伺うことができました。

ぱっと見クールな木村さんとエネルギッシュな三島さんとの対照的なおふたりなのですが、
今の時代を生きる普通の人たちの声を届けることの意味や、あたらしい出版社のかたちづくりに賭ける思いを語る姿からは、共通の使命感に裏打ちされた力強さ、とでもいうような何かが滲み出ていました。

うまく表現できないことが悔しいのですが、勇気を分け与えていただいたような、なんというか、ジャムおじさんとアンパンマンみたいなおふたりでした。

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「善き書店員」、さっそく買い求め、いま読み進めています。

6人の書店員さんのロングインタビューの本で、本屋さんや本をとりまくお話がそのほとんどなのですが、売上の減少、買い手がほんとうに求めている声が反映されにくい複雑な構造やセクショナリズム、前時代のシステムがひきおこすオーバーワークのなかのふるまいかた、本そのものに関わる事の喜びや誇りなど、私の属する建築業界を振り返って、強い共感をおぼえながら読んでいます。

そして、これはひょっとしたら出版や建築以外の他業種でも、あるいは大袈裟かもしれませんが今の世の中全般のそこここにも、同じようなことが顕れているのではないかと考えるようにもなっています。

それはともかく、登場される書店員さん(と聞き手の木村さん)の誠実なお人柄が言葉のなかから溢れる、読んでいてとても気持ちのいい、元気になれる本です。