事例集
上乃木の家
島根県松江市の旧市街地での建替工事です。
建物正面である西側が、幹線道路である県道に面することから、この面(西側)の開口部は最小限にとどめ、外壁は「室内と室外」を明確に隔てる、いわば界壁としての役割を担っています。室内は、吹抜を介して1、2階が一体となるような空間構成で、各室の引戸の開け閉めによって、視線を遮りプライバシーを調整しながら、空調とご家族の気配が通り抜けてゆきます。大開口は、庭に面する南側に設けてウッドデッキで繋ぎ、壁と屋根で囲んだこの場所は、室内と室外を緩やかに繋ぐバッファゾーン(緩衝地帯)です。東側に隣接する、ご兄弟一家のお住まいとの行き来は、玄関からではなく、主にこのバッファゾーンを経由しておこなわれています。