平屋に切妻屋根が架かるこの建物は、もともとは40数年前に分譲された、住宅供給公社の規格住宅でした。

今回の計画では、室内外の全面改修と耐震改修をおこない、併せて玄関と自転車置場、将来的なバリアフリーのアプローチである縁側を増築しました。本計画のようなシンプルな平面形状の住宅は、たとえ築年数が古くても、耐震改修によってIw値を現行基準以上に引き上げることは予想以上にスムーズで、蟻害の調査と防蟻処理工事、竣工以降のメンテナンス（具体的には経年再調査と保証）の体制についても、予想以上に整備が進んでいました。本計画は、構造部分については「出雲市木造住宅耐震化促進事業」の助成対象案件であり、計画全体については「長期優良化住宅リフォーム推進事業」の仕様に沿ったもので、建築費の面では同仕様同規模の新築住宅と比較して、相応のメリットを伴う結果となりました。2020年「第37回住宅リフォームコンクール」優秀賞受賞の家です。